「MCTオイルと亜麻仁油はどっちがいいの?」
「健康のために取り入れるなら、どちらがおすすめ?」
と迷っていませんか?
どちらも健康志向の方に人気のオイルですが、含まれる脂肪酸の種類や体内での働きには大きな違いがあります。
先に結論をお伝えすると、エネルギーとして利用されやすい油を選びたいならMCTオイル、オメガ3脂肪酸を補いたいなら亜麻仁油がおすすめです。
ただし、MCTオイルを飲めば必ず痩せるわけではありませんし、亜麻仁油を取り入れるだけでコレステロールや血圧が改善するわけでもありません。
「両方を併用してもいい?」「便秘にはどちら?」「えごま油とは何が違う?」など、気になることもありますよね。
この記事では、MCTオイルと亜麻仁油の違いを比較表で整理し、目的別の選び方、併用時の量やカロリー、便秘・コレステロール・血圧との関係、加熱や保存の注意点まで、メーカーや専門機関の情報をもとに分かりやすく解説します。

📍MCTオイルと亜麻仁油はどっちがいい?結論早見表
| 目的・気になること | 選び方 |
|---|---|
| オメガ3を補いたい | 亜麻仁油 |
| エネルギーとして利用されやすい油がよい | MCTオイル |
| ダイエットに取り入れたい | MCTオイルに関する研究はあるが、飲むだけで痩せるわけではない |
| LDLコレステロールが気になる | 亜麻仁油も選択肢。ただし油の追加ではなく、食事の脂質バランスを見直すことが基本 |
| 便秘を改善したい | どちらも便秘薬代わりにはならない |
| 2種類を併用したい | 併用は可能。油の総量とカロリーに注意 |
| えごま油と迷っている | 亜麻仁油もえごま油もオメガ3のα-リノレン酸が豊富 |
※健康効果を保証する比較ではありません。体調や食事内容、治療中の病気などによって適した選び方は異なります。
✦ この記事で分かること ✦
- MCTオイルと亜麻仁油の違いと目的別の選び方
- アマニ油とMCTオイルの併用方法や適量の考え方
- えごま油との違い、便秘・コレステロール・血圧との関係
- ダイエットへの期待度や加熱・保存で注意したいこと
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MCTオイルと亜麻仁油はどっちがいい?目的別のおすすめ
MCTオイルと亜麻仁油は、どちらが優れているというより、取り入れる目的によって向いている人が異なります。
大きな違いは、MCTオイルが中鎖脂肪酸を主成分とするのに対し、亜麻仁油はオメガ3系脂肪酸のα-リノレン酸を豊富に含むことです。
エネルギーとして利用されやすい油ならMCTオイル
MCTオイルは、中鎖脂肪酸を主成分とする食用油です。
MCTは「Medium Chain Triglycerides」の略で、日本語では中鎖脂肪酸油などと呼ばれています。
一般的な食用油に多く含まれる長鎖脂肪酸と比べて、消化・吸収や体内での代謝のされ方が異なり、比較的すばやくエネルギーとして利用されやすい特徴があります。
そのため、次のような方にはMCTオイルが選択肢になります。
- エネルギーとして利用されやすい油を取り入れたい
- 食事に少量の油を加えてエネルギーを補いたい
- 普段使う油の一部をMCTオイルに置き換えてみたい
- 味や香りの少ない油を料理に使いたい
ただし、MCTオイルもカロリーのある食品です。
エネルギーとして利用されやすいことと、摂取すれば必ず体脂肪が減ることは同じではありません。
体重管理を目的とする場合は、普段の食事に追加するのではなく、油の置き換えや食事全体のカロリーを考えることが大切です。
オメガ3脂肪酸を補いたいなら亜麻仁油
亜麻仁油(アマニ油)は、アマという植物の種子から作られる油です。
特徴は、オメガ3系脂肪酸の一種である「α-リノレン酸」を豊富に含むことです。
α-リノレン酸は、体内で十分に作ることができない必須脂肪酸のため、食事から補う必要があります。
日本動脈硬化学会によると、亜麻仁油とえごま油には、α-リノレン酸が約55〜60%含まれています。
そのため、次のような方には亜麻仁油が向いています。
- 普段の食事でオメガ3脂肪酸を補いたい
- 植物由来のα-リノレン酸を取り入れたい
- 脂肪酸の種類を意識して食用油を選びたい
- サラダや納豆、豆腐などに使いやすい油を探している
ただし、亜麻仁油に多いα-リノレン酸と、魚に含まれるEPA・DHAは同じ成分ではありません。
また、オメガ3を含むからといって、多く摂れば摂るほど健康によいというわけでもありません。
迷ったときは「何を補いたいか」で選ぼう
2つの油で迷った場合は、次のように考えると分かりやすいです。
- MCTオイル:中鎖脂肪酸の消化・吸収やエネルギー利用の特徴を生かしたい
- 亜麻仁油:食事からオメガ3系の必須脂肪酸を補いたい
特に、普段の食事でオメガ3脂肪酸の不足が気になる場合は、亜麻仁油の方が目的に合っています。
一方、MCTオイルにはオメガ3を補う役割は基本的にありません。

どちらも健康のために必ず追加しなければならない食品ではないので、普段の食生活に必要かどうかを考えて選びましょう。
MCTオイルと亜麻仁油の違いを比較!成分・働き・カロリー

2つの油を比較するとき、特に重要なのは脂肪酸の種類です。
どちらも食用油ですが、主成分や体内での働きには違いがあります。
MCTオイルと亜麻仁油の比較表
| 比較項目 | MCTオイル | 亜麻仁油 |
|---|---|---|
| 主な原料 | ココナッツやパーム核などに由来する脂肪酸 | アマの種子 |
| 主な脂肪酸 | カプリル酸(C8)・カプリン酸(C10)など | α-リノレン酸(オメガ3) |
| 脂肪酸の分類 | 主に中鎖飽和脂肪酸 | オメガ3系多価不飽和脂肪酸が豊富 |
| 体内での特徴 | 比較的すばやくエネルギーとして利用されやすい | 必須脂肪酸の補給源になる |
| オメガ3補給 | 基本的に向かない | 向いている |
| 風味 | 無味無臭に近い商品が多い | さっぱりしたものから独特の風味があるものまでさまざま |
| 加熱調理 | 炒め物・揚げ物に使わない | 一般的には仕上げがけ向き。短時間の炒め物に使える商品もある |
| 保存方法 | 商品表示に従い、主に高温や直射日光を避けて保存 | 冷蔵・常温の指定は商品や容器によって異なる |
※MCTオイルや亜麻仁油には複数の商品があり、成分比率・加熱の可否・保存方法は商品によって異なります。
MCTオイルは飽和脂肪酸なの?
MCTオイルの主成分であるカプリル酸(C8)やカプリン酸(C10)は、化学的には飽和脂肪酸です。
そのため、「MCTオイルは飽和脂肪酸ではない」という説明は正確ではありません。
ただし、一般的な長鎖飽和脂肪酸とは、消化・吸収や代謝のされ方が異なります。
つまり、MCTオイルは飽和脂肪酸に分類される成分を含みますが、すべての飽和脂肪酸が体内で同じように働くわけではありません。
一方で、代謝の違いがあるからといって、心臓や血管への影響を気にしなくてよいという意味でもありません。
特にコレステロールや中性脂肪が気になる方は、油の種類だけでなく、食事全体の脂質バランスを考える必要があります。
MCTオイルのC8・C10とは?商品による違い
MCTオイルの商品説明で「C8」「C10」という表示を見かけることがあります。
これは、中鎖脂肪酸の炭素数を表したものです。
- C8:カプリル酸(炭素数8)
- C10:カプリン酸(炭素数10)
MCTオイルには、C8を多く含む商品や、C8とC10を組み合わせた商品などがあります。
そのため、同じMCTオイルという名前でも、脂肪酸の構成が完全に同じとは限りません。
ただし、C8が多ければ誰でも健康効果が高い、C10が多ければ胃腸に優しい、といった単純な優劣は決められません。
初めて使う場合は、配合比率だけでなく、少量から試して腹痛や下痢などが起こらないか確認しましょう。
カロリーはどちらが低い?
「MCTオイルは脂肪になりにくいと聞くけれど、カロリーも低いの?」と気になる方もいると思います。
日清オイリオの公式商品表示では、次のようになっています。
| 商品 | 小さじ1杯(4.6g)当たり |
|---|---|
| 日清MCTオイル | 41kcal |
| 日清アマニ油 | 41kcal |
※日清オイリオの各商品に掲載されている栄養成分表示です。
この2商品では、同じ重量当たりのカロリーに違いはありません。
また、小さじ1杯を41kcalとして単純計算すると、大さじ1杯相当では約123kcalになります。

油は少量でもエネルギーが高いため、健康目的でも使いすぎには注意が必要です。
亜麻仁油のオメガ3は魚のEPA・DHAと同じ?
オメガ3脂肪酸には、主に次のような種類があります。
| オメガ3の種類 | 主な食品 |
|---|---|
| α-リノレン酸(ALA) | 亜麻仁油・えごま油など |
| EPA | サバ・イワシなどの魚介類 |
| DHA | サバ・イワシ・サケなどの魚介類 |
α-リノレン酸の一部は体内でEPAやDHAに変換されますが、その量は限られています。
米国国立衛生研究所(NIH)も、α-リノレン酸からEPA・DHAへの変換は少量にとどまると説明しています。
そのため、亜麻仁油は植物由来のオメガ3補給には役立ちますが、魚を食べることと完全に同じではありません。
EPA・DHAを直接摂取したい場合は、サバ・イワシ・サケなどの魚介類を食事に取り入れる方が直接的です。
▶ 米国国立衛生研究所(NIH)|オメガ3脂肪酸の種類と食品からの摂取
MCTオイルと亜麻仁油は併用できる?量とカロリーの注意点

「MCTオイルも亜麻仁油も気になるから、両方使いたい」という方もいると思います。
結論からいうと、一般的な食品として適量を取り入れる範囲であれば、併用することは可能です。
ただし、併用することで特別な相乗効果が保証されるわけではありません。
2種類を混ぜても大丈夫?

MCTオイルと亜麻仁油は、どちらも食用油なので、料理に合わせて組み合わせて使えます。
例えば、次のような方法があります。
- サラダのドレッシングに少量ずつ混ぜる
- 朝食のヨーグルトにはMCTオイルを少量加える
- 夕食の納豆や豆腐には亜麻仁油を少量かける
- 同じ日の別々の料理に使い分ける
必ず同時に摂取する必要はありません。
また、「朝はMCTオイル、夜は亜麻仁油」という順番に、特別な健康効果が確認されているわけでもありません。
食事に取り入れやすい方法を選びましょう。
併用するときは油の総量に注意
2種類の油を使う場合、特に気をつけたいのがカロリーです。
日清オイリオの商品表示をもとに計算すると、次のようになります。
| 使い方の例 | エネルギー |
|---|---|
| MCTオイル小さじ1杯(4.6g) | 41kcal |
| 亜麻仁油小さじ1杯(4.6g) | 41kcal |
| 両方を小さじ1杯ずつ | 合計82kcal |
※メーカーの表示値をもとにした計算例です。両方を毎日小さじ1杯ずつ使うことを推奨するものではありません。
健康のためにと思って油を追加しても、食事全体の摂取エネルギーが増えすぎることがあります。
併用する場合は、普段使っている油やドレッシングの一部を置き換えるなど、油の総量を意識することが大切です。
1日にどれくらい使えばいい?
MCTオイルには、誰にでも共通する公的な1日の推奨摂取量が定められているわけではありません。
日清オイリオは、MCTオイルをエネルギー補給として初めて使う場合、小さじ1杯(約4.6g)程度から徐々に増やすよう案内しています。
ただし、これはメーカーの商品使用方法であり、すべての人に適した量を保証するものではありません。
また、亜麻仁油についても、日清オイリオは「日清アマニ油」小さじ1杯(4.6g)で、成人の1日分のオメガ3摂取目安量に相当する量を補えると紹介しています。
こちらも特定商品の案内であり、ほかの食品からのオメガ3摂取量や年齢、性別などによって必要量は異なります。

どちらも「小さじ1杯を必ず毎日飲む」という意味ではないため、普段の食事内容や体調に合わせて調整しましょう。
オメガ3とMCTオイルを併用すると効果が高まる?
MCTオイルと亜麻仁油を併用すると、それぞれ異なる種類の脂肪酸を取り入れられます。
ただし、両方を使うことで体重が大きく減る、コレステロールが下がるなどの相乗効果が、十分に確立されているわけではありません。
すでに魚や植物油から必要な脂肪酸を摂取できている場合は、無理に追加する必要もありません。
「2種類を使った方が健康的」と決めつけず、食生活全体で何が不足しているかを考えることが大切です。
スポンサーリンクMCTオイル・亜麻仁油・えごま油の違いは?3種類を比較

亜麻仁油と一緒によく比較されるのが、えごま油です。
亜麻仁油とえごま油はどちらも植物由来のオメガ3を豊富に含み、MCTオイルとは脂肪酸の特徴が異なります。
MCTオイル・亜麻仁油・えごま油の比較表
| 比較項目 | MCTオイル | 亜麻仁油 | えごま油 |
|---|---|---|---|
| 主な原料 | ココナッツなどに由来する脂肪酸 | アマの種子 | エゴマの種子 |
| 主な脂肪酸 | 中鎖脂肪酸 | α-リノレン酸 | α-リノレン酸 |
| オメガ3補給 | 向かない | 向いている | 向いている |
| 風味 | 無味無臭に近い | 商品によって風味が異なる | 商品によって独特の香りがある |
| 酸化・加熱 | 炒め物・揚げ物に使用しない | 酸化しやすく、多くの商品は仕上げがけ向き | 酸化しやすく、多くの商品は仕上げがけ向き |
| 主な使い方 | 料理や飲み物に少量加える | サラダ・納豆・豆腐など | サラダ・冷奴・和え物など |
※加熱の可否や保存方法は商品ごとに異なるため、パッケージ表示を確認してください。
亜麻仁油とえごま油はどちらがオメガ3を多く含む?
日本動脈硬化学会によると、亜麻仁油とえごま油はいずれもα-リノレン酸を約55〜60%含みます。
そのため、オメガ3補給という目的では、どちらも選択肢になります。
ただし、α-リノレン酸の含有割合は原料や商品によって異なります。
「えごま油の方が必ず多い」「亜麻仁油の方が健康的」と一律に決める必要はありません。
気になる場合は、商品の栄養成分表示にある「n-3系脂肪酸」や「α-リノレン酸」の量を比較しましょう。
価格・味・保存方法で選んでもいい?
亜麻仁油とえごま油は栄養面で共通点が多いため、使いやすさを重視して選ぶ方法もあります。
例えば、次のようなポイントです。
- 味や香りが好みに合うか
- 毎日の料理に合わせやすいか
- 価格や購入しやすさはどうか
- 開封後に冷蔵保存が必要か
- 使い切りやすい容量か
特に、一人暮らしや少量しか使わない場合は、大容量の商品よりも、無理なく使い切れるサイズの方が扱いやすいでしょう。
どちらも酸化しやすい脂肪酸を多く含むため、保存方法を確認することも大切です。
MCTオイルと亜麻仁油は便秘にどっちがいい?

「MCTオイルを飲むとお通じがよくなる?」「亜麻仁油の方が便秘にいい?」という疑問もありますよね。
ただし、どちらも便秘薬ではなく、便秘の改善を目的に大量摂取することはおすすめしません。
MCTオイルでお腹がゆるくなるのは便秘改善とは違う
MCTオイルを一度に多く摂取すると、お腹がゆるくなる場合があります。
日清オイリオも、MCTオイルの使用上の注意として、一度に大量摂取すると腹痛や下痢などにつながる可能性を案内しています。
しかし、下痢を起こしやすいことと、便秘を健康的に改善できることは別です。
MCTオイルを便秘薬の代わりとして大量に飲むことは避けましょう。
特に初めて使う場合や胃腸が敏感な方は、少量でもお腹の調子に変化がないか確認してください。
亜麻仁の種子と亜麻仁油は別物
便秘との関係で知っておきたいのが、「亜麻仁の種子」と「亜麻仁油」の違いです。
亜麻仁の種子には食物繊維が含まれていますが、種子から抽出した亜麻仁油には食物繊維が含まれていません。
厚生労働省のeJIMでは、亜麻仁に含まれる食物繊維が便秘に役立つ可能性に触れています。
ただし、便秘への有効性に関する研究は限られており、亜麻仁油が同じ働きを持つとは限りません。
便秘対策ならまず食事と生活習慣を見直そう
便秘が気になる場合は、油の種類を変えることだけに頼らず、次のような点を確認しましょう。
- 食物繊維を含む野菜・豆類・穀類などを食べているか
- 水分を十分に取れているか
- 無理のない範囲で体を動かしているか
- 便意を我慢する習慣がないか
便秘が長く続く場合や、強い腹痛・嘔吐・血便などがある場合は、油で対処しようとせず、医療機関へ相談してください。
スポンサーリンクMCTオイルはコレステロールを下げる?血圧・ダイエットへの影響

MCTオイルと亜麻仁油を比較するとき、コレステロールや血圧、体重への影響も気になりますよね。
ただし、健康効果については研究で確認されていることと、まだ十分に分かっていないことを分けて考える必要があります。
MCTオイルでコレステロールが下がるとは限らない
MCTオイルは比較的すばやくエネルギーとして利用されやすい油ですが、コレステロールを下げるための食品とは言い切れません。
2021年に発表されたランダム化比較試験のメタ解析では、MCTオイルの摂取によって、全体として総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロールに明確な変化は確認されませんでした。
一方、中性脂肪については、小幅な上昇が報告されています。
さらに、比較対象となる油の種類によって、結果が異なることも確認されました。
例えば、不飽和脂肪酸を主成分とする油と比べた場合、MCTオイルでは総コレステロールやLDLコレステロールが高くなる結果が見られています。
つまり、MCTオイルがコレステロールにまったく影響しないと断定することもできません。
▶ 医学論文|MCTオイルと血中脂質に関するメタ解析(2021年)
特に中性脂肪やLDLコレステロールが高めの方は、MCTオイルを大量に追加することを避け、医師や管理栄養士に相談しましょう。
LDLコレステロールが気になるなら亜麻仁油の方がいい?
亜麻仁油には、多価不飽和脂肪酸のα-リノレン酸が豊富に含まれています。
そのため、食事の脂肪酸のバランスを考えるうえでは選択肢の一つになります。
ただし、亜麻仁油を追加するだけでLDLコレステロールが下がると期待するのは適切ではありません。
日本動脈硬化学会は、LDLコレステロールが高い場合、飽和脂肪酸に偏らないようにし、総エネルギー摂取量にも気をつけながら、植物油を使い分けることを紹介しています。
つまり、重要なのは次のような考え方です。
- バターやラードなど、飽和脂肪酸の多い油脂を取りすぎない
- 植物油などの不飽和脂肪酸を上手に取り入れる
- 油を単純に追加せず、必要に応じて置き換える
- 食事全体の摂取カロリーにも注意する
コレステロール対策では、亜麻仁油そのものの効果を期待するよりも、食事全体の脂質バランスを整えることが基本です。

すでに脂質異常症の治療を受けている場合は、食品だけで改善しようとせず、医師の指示に従ってください。
MCTオイルを飲むと血圧が上がる?
「MCTオイルを飲むと血圧が上がる」という話が気になる方もいるかもしれません。
しかし、MCTオイルを摂取すると必ず血圧が上がる、という科学的な結論が確立されているわけではありません。
一方、MCTオイルを飲めば血圧が下がるという十分な根拠もありません。
血圧が気になる方は、MCTオイルに降圧効果を期待するのではなく、塩分の摂取量や体重、運動などの生活習慣を見直すことが大切です。
また、α-リノレン酸を含む一部の機能性表示食品には、血圧が高めの方に向けた機能を表示している商品もあります。
ただし、それは届け出られた商品や条件に関する情報であり、すべての亜麻仁油で同じ効果が保証されるわけではありません。
高血圧で治療中の方は、油を健康対策として継続的に追加する前に、医師や管理栄養士に相談しましょう。
ダイエットにはMCTオイルと亜麻仁油のどっちがいい?
ダイエットとの関係では、MCTオイルを使った研究が複数行われています。
2015年に公表されたメタ解析では、一般的な長鎖脂肪酸を含む油をMCTに置き換えた研究をまとめた結果、体重が平均約0.5kg少なくなる結果が報告されています。
ただし、研究期間や摂取量、参加者の条件などには違いがあり、研究の質にも限界があります。
▶ 医学論文|MCTと体重・体組成に関するメタ解析(2015年)
ここで重要なのは、主にほかの油と置き換えた場合の研究であり、MCTオイルを普段の食事に上乗せするだけで痩せるという意味ではないことです。
MCTオイルもカロリーのある食品なので、使いすぎれば摂取エネルギーが増えてしまいます。
亜麻仁油についても、摂取するだけで体重が減るという確かな効果が十分に確立されているわけではありません。
体重管理を目的に使うなら、油の種類だけでなく、食事全体のカロリーや活動量も意識しましょう。
MCTオイルと亜麻仁油の使い方は?加熱・保存の注意点

どちらの油も毎日の食事に取り入れやすい一方、加熱の方法や保存には注意が必要です。
特にMCTオイルは炒め物・揚げ物に使用しないこと、亜麻仁油は商品によって加熱や保存方法が異なることを覚えておきましょう。
MCTオイルは料理や飲み物に少量加える
MCTオイルは味や香りが少ない商品が多く、さまざまな料理に使いやすい特徴があります。
例えば、次のような使い方があります。
- ヨーグルトに少量加える
- コーヒーなどの飲み物に混ぜる
- できあがった味噌汁やスープに加える
- サラダのドレッシングに混ぜる
- 納豆や豆腐などに少量かける
ただし、日清オイリオはMCTオイルを直接飲むことを控えるよう案内しています。
また、一度に多く摂取するとお腹がゆるくなることがあるため、初めて使う場合は商品表示に従って少量から始めましょう。
亜麻仁油は仕上げがけが基本!炒め物に使える商品もある
亜麻仁油はα-リノレン酸を多く含むため、酸化しやすい性質があります。
そのため、多くの商品ではサラダや冷奴、納豆などにかけて使う方法が向いています。
例えば、日清オイリオの「日清アマニ油」は、公式商品ページで加熱調理に適さないと案内されています。
一方、ニップンの公式FAQでは、アマニ油について長時間の加熱や揚げ物には使用しないものの、短時間の炒め物には使用できると説明しています。
つまり、亜麻仁油はすべての商品で炒め物が禁止されているわけではありません。
ただし、一般的に酸化しやすい油であることに変わりはないため、加熱の可否は必ず購入した商品のパッケージやメーカーの案内を優先してください。
MCTオイルは炒め物・揚げ物に使わない
MCTオイルについては、亜麻仁油とは別の注意点があります。
日清オイリオは、MCTオイルを揚げ物や炒め物に使用すると、煙が出たり泡立ちが起こったりして危険なため、使用しないよう案内しています。
そのため、フライパンにMCTオイルを入れて炒め物をしたり、揚げ油として使ったりすることは避けましょう。
ただし、できあがった温かい味噌汁やスープなどに少量加えることは、メーカーが紹介している使い方です。
また、炒め物に使いたい場合は、火を止めてから加える方法が案内されています。
油そのものを高温で加熱することと、完成した料理に少量加えることは区別しましょう。
カップ麺の発泡スチロール容器には直接加えない
意外と見落としやすいのが、油と容器の相性です。
国民生活センターは、MCTオイルや亜麻仁油、えごま油などを発泡ポリスチレン製の容器に加えると、容器が変質・破損するおそれがあると注意喚起しています。
実際に、カップ麺の容器にMCTオイルを加えて底が抜け、お湯がこぼれた事例も報告されています。
発泡ポリスチレン製のカップ麺容器や飲料カップなどには、これらの油を直接加えないようにしてください。
使いたい場合は、中身を陶器などの適切な食器に移してから加える方法があります。
亜麻仁油は開封後に冷蔵保存する?
亜麻仁油は酸化しやすいため、必ず冷蔵庫に入れるものと思っている方も多いかもしれません。
しかし、保存方法は商品や容器の構造によって異なります。
例えば、ニップンでは次のように案内しています。
| ニップンのアマニ油 | 開封後の保存方法 |
|---|---|
| ガラス瓶タイプ | フタをしっかり閉めて冷蔵保存 |
| 酸化防止構造のボトルタイプ | 直射日光や高温を避けて常温保存可能 |
また、日清オイリオの「日清アマニ油」には、開封後も常温・暗所で保存するよう案内されている商品があります。
つまり、亜麻仁油は必ず冷蔵保存する、と一律に判断するのは正確ではありません。
購入した商品の保存方法を確認し、指定された温度で保管してください。
酸化した油は使わない方がよい?
亜麻仁油はα-リノレン酸を豊富に含むため、光や空気、熱などの影響で酸化が進みやすい性質があります。
使用後はキャップをしっかり閉め、メーカーが指定する方法で保存しましょう。
また、開封後はなるべく早めに使い切ることが大切です。
普段とは異なる強い酸化臭や、明らかな品質の異常が見られる場合は使用を控えてください。
ただし、見た目や臭いだけで油の品質を完全に判断できるわけではありません。保存方法や開封後の使用目安も合わせて確認しましょう。
MCTオイルと亜麻仁油についてよくある質問
最後に、どちらを使うか迷っている方が気になりやすい疑問をまとめました。
Q. MCTオイルは空腹時と食後のどちらがいい?
MCTオイルを空腹時に摂取した方が、誰にとっても健康効果が高くなるという十分な根拠はありません。
空腹時に油だけを多く摂取すると、胃腸の不快感や下痢などにつながる場合があります。
初めて使う場合は、食事や飲み物に少量加えるなど、無理なく取り入れられる方法を選びましょう。
Q. 亜麻仁油は毎日使ってもいい?
亜麻仁油は通常の食用油なので、適量を毎日の食事に取り入れることはできます。
ただし、多く摂るほど健康効果が高まるわけではありません。
ほかの食品からも脂質やオメガ3を摂取しているため、食事全体の油の量を考えて使いましょう。
日清オイリオの「日清アマニ油」では、小さじ1杯(4.6g)にα-リノレン酸2.5gが含まれていますが、これはすべての亜麻仁油に共通する数値ではありません。
Q. MCTオイルはコーヒーに入れても大丈夫?
MCTオイルはコーヒーなどの飲み物に加えて使用できます。
ただし、油が均一に混ざらないこともあり、初めて使う場合は少量から試しましょう。
また、ポリスチレン製のカップやフタには使用しないでください。
高温のコーヒーを扱う際は、やけどにも注意しましょう。
Q. MCTオイルと亜麻仁油はどちらか1つで十分?
必ずしも両方を使う必要はありません。
オメガ3補給が目的なら亜麻仁油、中鎖脂肪酸の特徴を生かしたいならMCTオイルというように、目的に合わせて選ぶと分かりやすいです。
すでに普段の食事から必要な脂肪酸を補えている場合は、無理にどちらかを追加する必要もありません。
Q. 妊娠中や薬を飲んでいる人も使える?
通常の食事で少量の食用油を使う場合と、健康効果を期待して高用量のサプリメントを継続的に摂取する場合とでは、注意点が異なります。
厚生労働省eJIMでは、亜麻仁・亜麻仁油の妊娠中や授乳中の使用について、安全性に十分な情報がない部分があると説明しています。
また、NIHは高用量のオメガ3サプリメントについて、ワルファリンなどの抗凝固薬との併用に注意を呼びかけています。
ただし、これは通常の料理に使う亜麻仁油と、高用量の魚油サプリメントが同じ危険性を持つという意味ではありません。
妊娠中・授乳中の方、持病のある方、抗凝固薬や抗血小板薬などを服用している方は、健康目的で油やサプリメントを継続的に増やす前に、医師や薬剤師に相談してください。
スポンサーリンクまとめ:MCTオイルと亜麻仁油は目的で選ぼう!併用は油の総量に注意
MCTオイルと亜麻仁油は、どちらも食事に取り入れられる油ですが、脂肪酸の種類や特徴が異なります。
そのため、どちらが優れているというよりも、自分が何を補いたいかによって選ぶことが大切です。
- MCTオイル:中鎖脂肪酸が主成分で、比較的すばやくエネルギーとして利用されやすい
- 亜麻仁油:オメガ3系のα-リノレン酸が豊富で、必須脂肪酸の補給に向いている
- えごま油:亜麻仁油と同じくα-リノレン酸を多く含むため、オメガ3補給の選択肢になる
- 2種類を併用してもよいが、油の総量とカロリーに注意する
- 便秘を改善する目的で油を大量に飲むことはおすすめしない
- MCTオイルで必ず痩せたり、コレステロールが下がったりするわけではない
- コレステロール対策では、油を追加するより脂肪酸の置き換えや食事全体の改善が大切
- MCTオイルは炒め物・揚げ物に使わず、亜麻仁油の加熱や保存は商品表示を確認する
特に、普段の食事でオメガ3脂肪酸を補いたい方には亜麻仁油、中鎖脂肪酸の特徴を生かしたい方にはMCTオイルが選択肢になります。
ただし、どちらもカロリーのある食品です。

健康によさそうだからとたくさん追加するのではなく、普段の食事に合う種類を選び、必要な分だけ無理なく取り入れることが大切ですね。^^
◉ 参考情報
- 日本動脈硬化学会|脂質異常症診療のQ&A|植物油と脂肪酸の選び方
- ニップン|商品の使い方|アマニ油の使用量・加熱について
- 国民生活センター|発泡ポリスチレン製容器にMCTオイルやえごま油等を加えるのはやめましょう


